グローバルマネジメント研究所
ディレクター
“人生とは、大海原を航海するようなものだ”と例えられることがありますが、先行き不透明の今の時代、会社も大海原で航海しているのと同じだと言えます。つまり、人生と同じように、会社経営はいつも順風満帆とはいかず、リーマンショックのような嵐に遭遇することも多々あるということです。
会社の中には、そんな大海原を、潮の流れにまかせて流木のように漂っている社員もいれば、船に乗って進んでいる社員もいます。流木はどこに辿り着くかわかりませんが、船ならコントロールすることは可能です。
会社や自部門の船なのに目的地も決めず、ただがむしゃらにひたすら漕ぎ続けていたらどうなるでしょうか?全く違う港に行き着くかもしれませんし、座礁してしまうかもしれません。最後の最後で、こんな筈ではなかったと嘆いても、時、既に遅し、ボタンの掛け違いに気付いたところで過去には戻れないのです。
会社という船は社長が船長であり、自部門という船の船長は部長や課長といった組織の長ということです。船長には、行き着く目的地を明確にし、航海中に遭遇する様々な事態に対処できる強いリーダーシップが求められます。
ご存知の通り、リーダーシップとは、目的や進むべき方向を明確にすることです。
組織のあるべき姿を描き、それを手に入れるために戦略を考え、ビジョンや最終ゴールを明確にすることは、組織運営の上で最も重要なリーダーシップ機能です。また、明確なビジョンを掲げ戦略や方向性を指し示すのがリーダーの役割です。
これまで私は組織を任せられて、最初に必ず実行していたことがあります。それは、組織メンバー全員と議論に議論を重ねて、自分達の組織のミッション・ステートメントをつくったことです。なぜなら、組織の存在理由や進むべき方向、組織の意志・優先事項・価値を示し、業務を遂行するにあたって何が最も重要であるかを導き、常にそれに集中させることをサポートしてくれるものがミッションであるからです。また、ミッションなくしてビジョンを示すことはできないからです。
例えば、教育研修部門のミッションが、「社員の能力開発および教育訓練をすること」といった漠然としたものであった場合、ごく型通りの階層別の管理職研修、スキル研修や新入社員研修を実施することが主たる活動内容になってしまいます。そして、毎年同じような内容が繰り返され、マンネリ化していきます。
しかし、「教育訓練という手段を通じて、会社または各部門の問題解決に貢献すること。また、会社方針と教育を結びつけ、社内のノウハウの共有化を図ること」というより掘り下げられたミッションであったなら、この教育部門の活動内容は大きく変わってきます。
① 現在、社内の各部門はどのような問題を抱えているのかを把握し、それらの解決にあたって教育部門で貢献できることは何かを明確にすること
② 新しい会社方針が示されたら、それが各部門に与える影響を検討し、それに対する教育ニーズを見つけ実施すること
③ 優れた成績を上げている部門や個人を発掘し、その優れた成績を上げている要因(着眼点や秘訣)を社内に共有化するための活動を展開すること
このように、組織ミッションを明確にし、共有することで、職場活動の基本指針とすることができ、メンバーそれぞれが担当する仕事は違っていても、自分達がどの方向へ向かってどう考え、どう行動していかなければならないのかを意識して仕事が進められるように変化していきます。また、仕事の品質向上、顧客満足向上など様々な効果を得ることができるでしょう。
幸運にも私が今まで任せられた組織は、ミッション・ステートメントをつくることで、これまで慣習でやっていた仕事を全て見直し、ミッションに沿った活動内容に集中することで、組織力向上に繋がったと思っております。
ミッションが明確になっている組織は、困難な状況に直面しても乗り越えられます。組織自身の軸を持てているからです。メンバーの心の中に、しっかりと根を張った一本の木が育っているからです。
『不思議の国のアリス』でチェシャ猫に道案内される場面にこんな一節があります。
アリスは言いました。「教えてくださいな。私はここからどっちへ歩いていけばいいの?」「それは、お前がどこへ行きたいかによるなぁ」と猫は言いました。するとアリスは「私はどこだって構わないのだけど」と言い、「なら、どっちに歩いたって同じじゃないか!」と猫は答えました。
アリスが気の毒になってしまいます。でも、ひょっとしたら皆さんの部下の中にも、アリスと同じように、自分がどっちの方向に行けば良いのか、どうしたいのか、進むべき方向が見つからなくて悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
皆さんの船はどんな船でしょうか?
その船の使命は何ですか?
組織メンバーは皆その船に乗っていますか?
自分で舵取りしていますか、それとも他人任せですか?
自部門の船は、自らの力で主体的に舵取りをしたいものです。でも、その船の目指している行き着く港・・・・明確に定まっていますか?
会社の中には、そんな大海原を、潮の流れにまかせて流木のように漂っている社員もいれば、船に乗って進んでいる社員もいます。流木はどこに辿り着くかわかりませんが、船ならコントロールすることは可能です。
会社や自部門の船なのに目的地も決めず、ただがむしゃらにひたすら漕ぎ続けていたらどうなるでしょうか?全く違う港に行き着くかもしれませんし、座礁してしまうかもしれません。最後の最後で、こんな筈ではなかったと嘆いても、時、既に遅し、ボタンの掛け違いに気付いたところで過去には戻れないのです。
会社という船は社長が船長であり、自部門という船の船長は部長や課長といった組織の長ということです。船長には、行き着く目的地を明確にし、航海中に遭遇する様々な事態に対処できる強いリーダーシップが求められます。
ご存知の通り、リーダーシップとは、目的や進むべき方向を明確にすることです。
組織のあるべき姿を描き、それを手に入れるために戦略を考え、ビジョンや最終ゴールを明確にすることは、組織運営の上で最も重要なリーダーシップ機能です。また、明確なビジョンを掲げ戦略や方向性を指し示すのがリーダーの役割です。
これまで私は組織を任せられて、最初に必ず実行していたことがあります。それは、組織メンバー全員と議論に議論を重ねて、自分達の組織のミッション・ステートメントをつくったことです。なぜなら、組織の存在理由や進むべき方向、組織の意志・優先事項・価値を示し、業務を遂行するにあたって何が最も重要であるかを導き、常にそれに集中させることをサポートしてくれるものがミッションであるからです。また、ミッションなくしてビジョンを示すことはできないからです。
例えば、教育研修部門のミッションが、「社員の能力開発および教育訓練をすること」といった漠然としたものであった場合、ごく型通りの階層別の管理職研修、スキル研修や新入社員研修を実施することが主たる活動内容になってしまいます。そして、毎年同じような内容が繰り返され、マンネリ化していきます。
しかし、「教育訓練という手段を通じて、会社または各部門の問題解決に貢献すること。また、会社方針と教育を結びつけ、社内のノウハウの共有化を図ること」というより掘り下げられたミッションであったなら、この教育部門の活動内容は大きく変わってきます。
① 現在、社内の各部門はどのような問題を抱えているのかを把握し、それらの解決にあたって教育部門で貢献できることは何かを明確にすること
② 新しい会社方針が示されたら、それが各部門に与える影響を検討し、それに対する教育ニーズを見つけ実施すること
③ 優れた成績を上げている部門や個人を発掘し、その優れた成績を上げている要因(着眼点や秘訣)を社内に共有化するための活動を展開すること
このように、組織ミッションを明確にし、共有することで、職場活動の基本指針とすることができ、メンバーそれぞれが担当する仕事は違っていても、自分達がどの方向へ向かってどう考え、どう行動していかなければならないのかを意識して仕事が進められるように変化していきます。また、仕事の品質向上、顧客満足向上など様々な効果を得ることができるでしょう。
幸運にも私が今まで任せられた組織は、ミッション・ステートメントをつくることで、これまで慣習でやっていた仕事を全て見直し、ミッションに沿った活動内容に集中することで、組織力向上に繋がったと思っております。
ミッションが明確になっている組織は、困難な状況に直面しても乗り越えられます。組織自身の軸を持てているからです。メンバーの心の中に、しっかりと根を張った一本の木が育っているからです。
『不思議の国のアリス』でチェシャ猫に道案内される場面にこんな一節があります。
アリスは言いました。「教えてくださいな。私はここからどっちへ歩いていけばいいの?」「それは、お前がどこへ行きたいかによるなぁ」と猫は言いました。するとアリスは「私はどこだって構わないのだけど」と言い、「なら、どっちに歩いたって同じじゃないか!」と猫は答えました。
アリスが気の毒になってしまいます。でも、ひょっとしたら皆さんの部下の中にも、アリスと同じように、自分がどっちの方向に行けば良いのか、どうしたいのか、進むべき方向が見つからなくて悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
皆さんの船はどんな船でしょうか?
その船の使命は何ですか?
組織メンバーは皆その船に乗っていますか?
自分で舵取りしていますか、それとも他人任せですか?
自部門の船は、自らの力で主体的に舵取りをしたいものです。でも、その船の目指している行き着く港・・・・明確に定まっていますか?