謝らないベトナム人

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Kenji Hachiya
八谷 賢次
グローバルマネジメント研究所ベトナム
代表


謝らないベトナム人

日本人がベトナムに来て、初めに最もストレスを感じるのが、ベトナム人が「謝らないで言い訳ばかりする」という点でしょう。
仕事に遅れても「道が混んでいたから」、見積書の計算が間違っていても「暑くて集中できないから」などだけで、そこには日本的な「すみません」「ごめんな さい」の一言がかけています。あげくには、「どうしてちゃんとチェックしないの?」「あなたの指示が間違っている」と自分の失敗を人のせいにする始末。
多少なり申し訳なさそうな表情でも見せてくれれば、「仕方ないなあ」とも思えるのですが、こうも平然と自信を持って「自分に間違いはありません!」という態度を見せられると、温和な日本人でもキレてしまうこと必至です。


ベトナム人を正しく理解する

–想像以上に厳しいベトナム人社会

ベ トナム人は家族を大事にするといわれますが、裏返せば家族以外は信じられないということ。他人にはいたって冷たいのがベトナム人社会です。親戚・家族内は 病気や事故などのトラブルの発生時に始まりお金の貸し借りも含めて、互いによりかかっていますので、あえて謝ることもしませんが、家族以外の人へは頑なに 謝ることを拒みます。
利害関係のない家族同士、他人同士は基本的には軋轢を恐れて互いに深く立ち入ることを避けますが、いったん利害が絡むと互いの足の引っ張り合いが始まりま す。「ベトナム人が一人で穴に落ちても助かるが、3人で落ちると助からない」とも言われますが、とかく人間関係で序列や扱いが変わってしまうベトナム人社 会では自分の非を認めることは、命取りにもなりかねないのです。
一見仲良さそうなベトナム人同士ですが、一人ひとりと話をすると「あの人を信じちゃいけない」と陰口を聞くのは良くあることです。


–まずは笑顔

一 見、傲慢で不遜に見えるベトナム人ですが、こうしてみると実は臆病で猜疑心にかられているとも言えます。特に、自身が「攻められている」「追い詰められつ つある」と感じる際には周りの目も気にせず怒鳴り散らすなど感情をさらけ出す場面も見られます。こうした時に正気を失ったベトナム人の吐く罵詈雑言に気弱 な日本人は容易に心を壊してしまいます。
日本人にとって幸いなのは、ベトナム人が外国人に対しては、危害を加える人たちではない、と比較的オープンに接してくれることです。まずは笑顔で接するこ と、ベトナム人が失敗をしたときにも叱っても責めないこと。決して危害を加えたり貶めたりしようとしているのではないと理解してもらうことが大切です。す ると、次第にベトナム人同士では言えない様な家族の苦労話や失敗談をしてくれるようになります。やがては「すみません」という言葉が抵抗感はありながらも 出てきます。
しかしながら、ここで注意したいのは、仲良くなっても家族にはならないことです。ベトナム人を理解しようと家族同等になろうとする日本人もいますが、ベト ナム人にとっての家族の絆は日本人のそれとはレベルが異なります。ベトナム人にとっての家族とは、借金の肩代わり、入院時の付き添い看病など困難な社会環 境で運命共同体となることです。安心感のある外国人をベトナム人は心よく受け入れてくれますが、そこまでの覚悟がないと、突然親類が訪ねてきて寝泊りさせ てくれとなったり、借金を頼まれたりと日本ではありえないずうずうしさに、「だまされたのでは。。。」と心を痛める結果になります。安心感を与えることは 大事ですが、馴れ合いにならない距離を保つことも大切です。


–安心できる環境を提供する

日 本人的には、どんどんベトナム人の部下を育てて、権限委譲を進めたいと思うのは、普通の考えですが、あまり拙速に進めようとすると返って逆効果になりま す。緊張感あふれるベトナム人同士の人間関係においては、ある意味外国人は心を許せる求心力になります。なんでもかんでも指示を求められて、うっとうしく もなりますが、互いに信じあえる風土ができるまでは、日本人が求心力にならないと、まかせたはずのベトナム人が部下を抑圧していたり、皆がけん制しあって 影で足を引っ張り合うような職場にもなりかねません。
まずは、挨拶を励行すること。人と積極的に関わる習慣を作ることからはじめます。
そして、失敗を許容すること、「過ちてあらためざる、これを過ちという」などの孔子の言葉を使ったりしますが、間違いを認めて正すことが大切だということを説いて回ることが必要です。
後は、ベトナム人同士が互いに責め合っているような場面に積極的に関わること。人を攻撃することが許されることではないということを、態度や制度でも示して徹底していくことが必要です。
経験や能力があったり日本語に長けているようなベトナム人を見つけると、ふと任せてしまおうと考えがちですが、こうした安心感を提供できるベトナム人材に育つまでは日本人が求心力であり続けることが必要です。


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